うちのBXは壊れはしながらも、購入以来6年弱に渡って今まで出先で立ち往生したことはなく、それが自慢だったのですが、とうとう来るべき日が来てしまいました。語るには恥ずかしい話ですが、同じ轍を踏む方が出ないように、あえてその顛末を記すことにしました。(今回は字ばっかりです。すみません)
真夏の話なのですが、デパートに出かけた時に駐車場に入るのを待っていたら、エンジンが死んでしまいました。セルを廻すと、かろうじて廻るものの、火が飛ぶまでには至らない状況。液面は点検していたつもりのバッテリでしたが、ふたを開けてみると結構減っていました。というのも、Mareg-FB(ドイツのMareg社製のものを古河電池が輸入しているもの)のバッテリは国産品よりケースが白く、液面と思っていたのはタダの汚れの線だったのです(笑)。この時は救援車を呼んで事なきを得ました。水を足して充電したら治りました。
BXは平常、工場長妻が乗っているのですが、秋口のある日、職場から帰ろうとしたらバッテリが完全に死んでいたと言うのです。まあ、3年くらい前に換えたモノなので、そろそろ性能が低下して来だす頃なのですが、経験上その頃には突如セルからピニオンが出ないほどまで死ぬってコトがよくあるようです。とりあえずジャンプして始動して家まで帰らせ、一晩充電したら元に戻っていました。
予兆2から半月ほど経った頃、又バッテリが弱くなりました。今度はピニオンは噛んでリング・ギアを廻そうとするものの、始動には至らない状態。この時点でまた電解液が減っていたので、どうもよく減るなあと思いながらも補水して「電撃丸」なるクスリを投薬しました。しかし、またしてもセルの廻りが弱くなったので、とうとうバッテリの寿命と判断し、新品に交換しました。
こんどのものもピットイン共和で買ったのですが、物はMareg-FBでした。しかし、新品なのに1週間後にはにはLowレヴェルくらいまで減っています。ここに至りようやく原因はバッテリではなく、充電系ではないかと気づいたのです。翌週頃になるとアイドリングで明らかに発電量が不足し、ライトが暗くなる状態。明らかにレギュレータの不調です(テスタは持ってないので(^^;)。まあ沸いているほどではないので、古い奴を再び充電して載せ換え、エンジンはなるべく廻さずに走り、しょっちゅう液面を点検することにしました。
というのも、廃車になるBXが出るというので、その車のオルタネータをGETし、交換してやろうと考えたからなのです。このBXは85000kmほど走っているものの、内外装は非常にキレイで(うちのより良かった)上玉だったのですが、過去にATを換装した(主治医の工場がやったのではないそうです)際に組み付けミスをしていてエンジンとミッションがずれ、ATFが漏るなどしたため不運にも廃車の憂き目を見た車だったのです。
で、11月の3日に「みやしん」と「狂師」(この人、本編では初登場ですが、2CV
Club1台きりで生活していてだいぶやられている方です)に手伝っていただいて、オルタネータ、A/Cコンプレッサ、ハイ・プレッシャ・ポンプ、エアフロー・メータ、シート一式等新品価格では50万円相当の部品をGETしました。(自分たちで外すのなら無料!だった。ありがとうございます>Ford岡山さん)それらをBXの後席を畳んだ空間に詰め込み、さあ直しちゃるぞと意気込んで帰りました。
さて、この日は「誓文払い」といって、岡山の表町商店街では年に一度のバーゲン・セールが行われていました。工場長妻&子を連れて行かなければいけません。「またガラクタ持ってかえって〜」と小言も食らいながら、席を直し、出発しました。
我が家から市内中心部に行くには、百間川という川の土手を通っていくのですが、その辺は人家も街灯もないようなところです。すでに夕方になっていたのでヘッド・ランプを点けて走っていたのですが、突如として両方一度にフィラメントが飛んでしまいました。ロー・ビームが飛んでしまったので困りました。予備バルブはひとつしか持っていません。結局、時間もないので、レンズの下側をガムテープで覆い(上向きの光線はランプの下側から出てるんです)、ハイ・ビームで走ることにしました。しかし、1kmほど走ったところでハイ・ビーム側フィラメントも切れ、なぜかワイパが高速で数回作動、インパネの照明は明滅といった具合で明らかに電気系がいかれてしまいました。
その後もまた1kmほどは一本道なこともあり、何とか走ったのですが、とうとうそこで点火系への電気が来なくなったので、走行不能となりました。
運良くそう邪魔にならないところに停まれたので、原因を素人診断することになります。しかし、すでに工場長妻はカンカンです(;_;)。まず、運転席左足元(LHDなので)にある、フューズBOXを開けてみます。これが一応、管ではなく板フューズではあるのですが、ホルダのプラスティック部分が透明になっていない代物で、横から見ることができません。天辺に穴が開いていて、その1mmほどの隙間からフューズが溶けてないか見なければならないのです。昼間ならまだしも、すでに周囲は暗かったので、ルーム・ランプで見るのは大変苦労しました。しかし、不思議なことにフューズはどれも切れていませんでした。
セルもちゃんと廻るのですが、キーがスタート位置では火が着く気配があるものの、ONに戻したらストンと止まってしまいます。ボンネットを開けてみると、バッテリは完全に沸いていて、触れないくらい(推定50度C)熱く、オルタネータ近辺から何か焼けこげたようなニオイがします。ここに至って自走は不可能と判断、携帯電話で主治医に電話したところ、「ローダですぐ行ってあげる」とのこと。ありがたいお言葉でした。
しかし、予想どおり工場長妻は完全にキレてしまい、「ゴミ車は要らん」とばかりに子供を連れてタクシーで実家(市内で良かった)に行ってしまったのでした(T_T)
30分ほど待つと、UNICローダの付いたタイタンで主治医の田中さんと助手(御芳名不詳)がやってきました。幸い車高もそのままだったので難なく乗り、Ford西岡山店に向かいます。とりあえずその晩はこれも運良く空いていたFestivaを代車に借りて帰りました。
これは現行のクーペ・スタイルの奴でしたが、やはり我が家のようにチャイルド・シートを使うパターンでは3ドアの不便さを味わわされました。うちのチャイルド・シートはベルトの他に前ガードが付いているタイプなのですが。3ドアではこれが邪魔になって乗せにくいこと!まあ、これは車のせいというわけではないですね。
Festivaという車自体はそう悪くなく、BXになれた身には過敏とも言えるATの設定によって活発に走れます。前オーナーによって付けられたのか、185/60R14という、サイズから言って太すぎるタイアが大幅に乗り心地をスポイルしていましたが。
診断してもらったところ、メイン・リレー(BOSCHのものでした)が完全に焼けており、内部でショートして、その熱でプラスティックのケースが溶けてしまっていました。レギュレータはもちろんいかれていて、アイドリングで18V(!)も出るような状態だったとか。主治医の田中さんは前にも書いたかもしれませんが、EUNOSの人でありながら、腕を買われて2CVやGSA等、EUNOS扱いでない古いCITROENも面倒をみているという方ですが、その方でも、充電できなくなったのは何台もあるが、過充電は初めて見たというトラブルでした。
たぶん、だんだん悪くなっていったものが、ヘッド・ランプが飛ぶ前くらい?にご臨終を迎えたものであろうとの診断でした。部品は結局先日部品をはぎ取った解体車から取ってきて、オルタネータも取った物をFordに持っていって付けてもらいました(こういう場合、自分で出来るからといって診断だけしてもらって自分で作業するというのはメカニックさんとの関係を考えるとお勧めしません。少々お金がかかってもやってもらいましょう)。なお、今回はリレー3個とオルタネータを交換しましたが、全て中古部品を使ったため意外に修理代は安くつきました。
実は、部品どりから取ったオルタネータも完調とはいかず、こちらは発電量が少々少な目です。ヘッドランプ+エアコン+ファン全開では使用量に追いついていません。まあ、こちらについては同時使用を避けるということで運用で対処することにしました。その他の点については、電気系のトラブルでは当たり前なのですが、前より調子が良くなると言うこともなく、普通に戻っただけです(これが電気系の修理での苦しいところですよね)。
また、治った後に運輸省から公表されたのですが、電解液が減ったまま走行していて、極板が露出している状態が続いた場合、最悪のケースではバッテリが破裂する事があるとのこと。うちのもまかり間違えばそうなっていたかもしれず、ぞっとします(工場長妻はそうなるのを望んでいるようですが(^^;)。考えてみれば充電できなくなるよりしすぎの方がこわいので、もしご自分の車にその気があったら、すぐ点検されることをお勧めします。
BXを引き取りにいったときに、FORD Kaの試乗会をしていました。これは最近のFORDの流行の三角をモティーフにした丸いクルマ(変なの)ですが、1300ccの5速マニュアル、RHDという仕様でした。発売前なので英国仕様車をそのまま持ってきただけという状態で、なるほどFMラジオも86.0MHzくらいから下は出なかったです。しかしこれ、エンジンも結構活発で、Roadsterほどではないにしても野太い排気音を発しながら元気に走ります。直線路中心のコースでしたが、乗り心地がハーシュネスの少ない、ソフト・ライド系の割には足周りもしゃんとしていて、交差点を60km/hくらいで回ってもへっちゃらでした。スタイルも奇抜だし、一人か二人で乗る分にはいいんじゃないでしょうか?値段はVOLKSWAGEN PoloやOPEL Vitaあたりと同じくらいになるそうです。ただ、M/Tしかないというのが厳しいところかもしれませんね。