BXのステアリング・シャフトのガタを直す


 最近、ステアリング・ホイールにガタが出始めました。工場長妻がその太腕(^^;で無理矢理こじったので壊れたのかと思っていました。ガタというのは、前後方向に数mm、ステアリング・ホイールを留めてあるナットから奥に10数cmほど奥のあたりを中心にして扇形に数mm動くと言った症状。

 RX-7でも数年前に似たような症状が発生したのですが、このときはステアリング・ホイールの裏側でステアリング・シャフトを固定してあるプラスティック製のカラーが経年変化で劣化し、ボロボロになって粉砕したのが原因でした。

 まあ同じ所だろうと思ってパーツ・リストを見るとびっくり。そこはカラーどころではなく、コラムAss'y(部品名:エネルギー・アブソーバ・シャフト、ZZV0-32-100)しか載っていません。しかも定価は\26,700もします。泡を喰って主治医に相談したのですが、実は何と言うことはないことで胸をなで下ろしました。 

 このAss'yはチューブ状になっていて、その中にプラスティック製のブッシュがあり、これがシャフトを支える構造になっています。このブッシュのうち、下側のものがだんだんとチューブから抜けていき、ついに脱落するときちんと支えられなくなって遊びが生じ、ガタを生むのです。

 ステアリング・コラム下のカヴァ(コラム・ジャケット)を外します。T-20のトルクスネジが4本で留まっています。(矢印)
 ちゃんと外すにはステアリング・ホイールを外し、その裏に隠れているT-10トルクスを2本外さなければなりませんが、今回は横着して外しませんでした。これでも下側は随分開くので、肝心な部分は見えますからOKです。
 カヴァを全部外す際には、裏にリレーみたいなものが付いていますので、コードを切らないように注意してください。
 真鍮色に見えるのがステアリング・コラムAss'y。左側がステアリング・ホイールです。チューブからブッシュが出てしまっています。このブッシュは自分の弾性のみではまっているわけですから、年を経ると共にブッシュが若干縮んでくるのでしょう。
これがそのアップ。矢印が問題のブッシュです。ユニヴァーサル・ジョイントが埃まみれで見苦しいですがご容赦を。このブッシュはプラスティックというには軟らかく、ゴムよりは硬い材質です。ABS樹脂よりも硬いようです。
 要はこれを元の位置に戻してやればいいわけです。今回は車載プラグ・レンチを廻す棒をプラスティック・ハンマで叩き込みました。ハンマのバック・ストロークを行う余地が少ないのと、妙な姿勢で作業しなければならないのが困りものです。
 まだちょっと出ていますが、だいたい入ったので良しとしました。全周を均等に叩きたいところですが、裏側は困難なので斜めに入りがちなところが要注意です。チューブの端っこを若干かしめておけば再脱落の防止になるでしょうが、タガネが行方不明だったので今回は見送りました。
 やることと言えば、これだけです。こんなことでも、工場に持っていけば少なからぬ工賃を要するはずですので、自分でやって倹約しましょう。

補遺

(5/Apr/1998)

 この小手先だけの対策は予想どおりの結果となりました。またカラーが下の方に落ちてきたのです。前回修理から約2ヶ月です。やはり、1度やってしまうと癖になってしまうようです。
 カラーがチューブ内部で廻ってしまうのが原因と考えられたので、今回はチューブの端をプラスティック・ハンマで叩いて若干楕円状に歪め、廻りにくくしてみました。


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