BXのオーディオ・グレード・アップ


 BXには標準でオーディオ・システムが装備されています。うちのBX(ユーノス物)には、JVCの4スピーカ・セットが付いていました。ヘッド・ユニットはDIN1サイズの汎用品で、AM/FMラジオとカセットが一体化した物です。標準装備品にしてはそこそこなんですが、やはり時々虫がうずいてグレード・アップしてしまっています。とはいっても、1mン万円のケーブルを使うだとか、オーディオ・ボードや鉛シートを使うようなことはしてないので、あまり期待してはいけませんよ。「ちょっといい」ってあたりの、低予算がモットーですから。なお、基本はDIN*1ですが、加工するとむりやりDIN*2を押し込むことも可能なようです。

 これまでに行っていたのは、以下の3点です。

  1. ヘッド・ユニットの換装 : 工場長妻のリーザTurboにつけていた、CDチェンジャ・コントロール付の物に換えました。元のはリーザで今も活躍しています。JVCのジウジアーロ・デザインのモノです。
  2. フロント・スピーカの換装 : Carrozzeriaの13cm コアキシャル2way、TS-H135に換えました。欧州車用らしいです。ただし、スピーカの周囲にプラスティックの枠が付いていてカヴァと干渉した(なぜか右側だけ)ので、削ってもらってあります。
  3. CDチェンジャの装備 : やはりCDが聞けないとね。JVCの6連装タイプです。ラゲッジ・ルームの隅に立ててあります。

 今回は、音像定位の向上(っていうのかな?専門的には間違っているかもしれない)を目的としたグレード・アップです。メニューは、リア・スピーカ・ユニットの交換と、フロント・ツィータ(高音用スピーカ)の設置の2つです。


リア・スピーカ・ユニットの交換

 ノーマルのスピーカは、JVCの2wayです。2wayといっても、大小2つのミッドレンジが付いているようなものです。コーンは段ボールのような色でパッとしないうえ、なぜか左右同じものなので、高音側が外という基本から外れているという代物です。

 BXのリア・トレイは裏側にトラス状のリブが成型されているため、迂闊に穴を開けることが出来ません。埋込型だとトランクを共鳴箱にできるので低音域の増強に効果的なのですが、とてもそんな大穴は無理です。従ってトレイを捨ててオーディオ・ボードにしない限り置き型しかつけられません。また、トレイを捨てると、リアのブラインドまで使えなくなるので困ります。もっとも、'92以降はリア・スピーカはドアに付いているようですが。

 今回付けたのは、なぜか工場長父宅にあったデッド・ストック物のClarion CS601(写真右上)。4wayバスレフ型です。こういう構成になっており、さらにクロスオーヴァ・ネットワーク内蔵で駆動の最適化を図っています。

種類 口径 素材及び形状
ウーファ 13cm ハイブリッド・クロスカーボン・コーン
ミッドレンジ 7cm PEI(ポリエーテルイミド)コーン
ツィータ 2.5cm PEIバランスドライヴ
スーパーツィータ 2.5cm セラミック・バランスドライヴ

 スピーカは1本のボルトで留まっているだけですから、JVCを外して、同じ取付穴を利用してClarionを付けるだけです。幸い、取付ボルトの位置をスライドさせられるので、ユニットの大きさは異なるものの、新しい穴を開ける必要はありませんでした。実際、一番時間がかかったのは電工ペンチでコネクタを作る作業でした。

 後側は左の写真のようになっています。ちょっと前のスピーカらしく、赤い線のところはポジション・ランプと連動して光るようになっています(線はつないでませんが)。若干、ブラインドのツマミに当たっていますが、ちょうど凹んだ部分に納まりました。JVCでもそうでしたが、引き出したブラインドとはちょっと干渉します。

 性能的には、バスレフ式とはいえ、ウーファが13cmしかないので低音域がキツイですが、JVCとは比べ物にならないくらいよくなりました。特に高音域はきちんと鳴っているようです。どのくらい良くなったかは、工場長娘の顔で判断してやってください。(^_^)


フロント・ツィータの追加

 フロントのスピーカは、ドアの一番前の下側についています。ドア・スピーカとしてはいい位置だそうです。2wayに換えてあるので、標準のダブル・コーンよりは締まった音になっているのですが、特に音像に影響するツィータが低い位置にあるため、ちょっとぼやけた感じでした。ツィータを高い位置に設けて、前方定位をはっきりさせる作戦です。

 重要なのは取付位置です。行きつけのショップ、ピットイン共和の大月さんに相談したところ、一般的にはBXで言えばパワー・ウインドウのスウィッチがついているあたりが一番効果的だとのこと。Roadsterのセンソリー・サウンド・システムでもこの位置ですね。この場合、BOX部分壁面に穴を開けて埋め込むことになります。ただ、本国ではダッシュボード両端のグリルの中にスピーカが付いたものもあるようで、そこに入れると目立たないし良さそうです。結局どっちがいいかは、やってみなければ判らないので、どちらにも対応できるツィータを付けることにしました。 

 選んだのは、高級スピーカで有名なJBLのGTC04というもの。1/2インチのチタン・コンポジット・バランスド・ドーム・ツィータです。磁石はネオジウム製です。7kHz以下をカットする、ハイ・パス・フィルタがついています。他の部品とまとめ買いしたので正確ではありませんが、JBLというイメージにしてはむしろ安く7千円ほどなので、ブレーキ交換で浮いた工賃分で注文しました(貯金にはならないんだなあ)。

 注文したまま、ほったらかしているうちにSono's_Labにツィータ(7cmくらいのメタル・キャップつき)を付けたと言う話が載ったではありませんか!しかも、聖地巡礼で会ったSono's_Labの作者、「その」には「いいだろう、これ」と言う具合に自慢されてしまいました。ああ悔しい

 さあ、こうなっては早く付けるしかありません。仮配線して実験してみると、BXはやはり一般的なクルマではないようで、スピーカ・グリルの方が効果的であることが判りました。けっきょく「その」と同じになってしまったのがまた悔しい

 と、いうわけで取付の具体的方法は、Sono's_LabのBX環境実験室に非常に丁寧な説明があるので、そちらをご覧ください。「その」号と違うところは、「その」は左ツィータの配線はメータ裏から小物入れの裏を通したようですが、うちのはほぼ真下に降ろしたという点、小さいのでネジ止めできないため、ベースを両面テープで貼り付けた点の2点です。完成図は右のとおり。写真は左側です。

 付けた結果は大成功でした。ウインド・スクリーンで反射してるらしく、ツィータ位置よりちょっと上に音像が位置しています。ドアのスピーカとのバランスにも問題はなく、よくまとまっています。付ける前はリア・スピーカの方が強く、フェーダ・コントロールはフロントを9割くらいにしなければならなかったのですが、7割くらいがちょうど良くなり、全部のスピーカの性能を引き出せているような感じになりました。結論を言うと、費用も安価だし、おすすめです。


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