CITROEN BXの車高調整


 前々から、うちのBXは寝覚めが悪く、車高が上がらないことがありました(フロントだけ)。
ハイ・ポジションから更にちょっと上までマニュアル・コントロール・レヴァを動かすと上がりだすのですが、そのまま最高状態になり、ノーマル・ポジションにしても下がらないという症状です。
2〜3回ほど「屈伸運動」をすれば走行可能になるのですが、それでも正常車高よりちょっと低いところに落ち着くことが多く、すっきりしない状態でした。

 そんな中、CCCで谷口@佐賀さんのBXと比べたところ、彼のクルマの方が3〜4cmほど高かったのですが、乗り心地は当方よりよかった(ような気がした)ので、ちゃんと調整しなければならないという結論に達しました。

 具体的な方法については、楢林さんのWebサイト、"ITONAMI"に詳しい説明があるので、そちらをご覧になってから、以下をごらんください。
ここでは、彼ほどメカに強くない方に向けて若干の補足を試みます。

まず、用意するものは、

  1. ラチェット・レンチ  小さいもの(特に柄があまり長くないもの)がいいと思います。
  2. 12mm,11mm,10mmのソケット
  3. エクステンション・バー うんと長いやつがあれば便利です。
  4. 10mmのメガネ・レンチかスパナ
  5. 軍手
  6. 物差し
  7. 照明  ガレージ・ランプか懐中電灯

これだけです。

 あとは、下に潜れるような仕掛けが必要です。ほかの作業はウマ(リジッド・ラックですね)に乗せればできるのですが、車高調整だけはタイアが接地していなくてはならないので、ムリです。ブロック等を組んで作ることもできるでしょうが、しっかりしたもので、ある程度高くしなければならないので、注意が必要です。ここで横着をすると、愛車の下で圧死するという憂き目にあうので非常に危険です。私の場合は、懇意のショップ、「ピットイン共和」さんがピットを貸してくれたので、大変楽でした。

 まず、ピットの上に車を止め、「屈伸運動」を行い、ノーマル・ポジションを出します。このときには、直進状態にしておくことと、パーキング・ブレーキを外しておかなければなりません。フロントではクロスメンバーの下面が地面から166mm(+10or-7まで可)、リアはクロスメンバー・チューブの下面が地面から223mm(+10or-7まで可)が正常範囲です。物差し等で車高を測ります。リアについては適正な車高だったし、動作も問題ないので何もしてませんから以後割愛します。フロントについては約3cm規定より低い状態でした。

 さあ、フロントの車高を調整しましょう。潜ってみたら判るのですが、これらの部品は、フロントのサブ・フレームの真上(つまり下から見ると裏側)にあり、手を入れにくい位置についています。左の写真(いずれも、ちょっとピントが合ってませんが、御容赦ください)の、緑色の矢印が、ハイト・コレクタで、オレンジ色がマニュアル・ハイト・コントロール・ロッドです。この写真では、左が車両前方になります。

 右の写真で赤の矢印がついているのが、車高を感知するカラーです。黄色の矢印はスタビライザです。カラーをゆるめるときには、手前でハイドロのパイプが渦を巻いていますから、長いエクステンションをつけると作業が楽になります(「渦巻き」は、普通ホースを使うところを、そうせずに弾性変形で逃げてるわけです。それだけホースの膨張を嫌ったのでしょう)。ここは11mmのボルトです。(個体によっては12mmになってることもあり?)このカラーを廻して自動車高調整の位置決めをするのですが、LHMの圧力が下がらないよう、エンジンをかけたまま作業しなくてはならないので、周囲がとても熱いです。軍手をはめて行いましょう。

 カラーを動かすと車高が変化します。面白いです。シューとか音もするし。しかし、やってみれば判るのですが、きちんと調整しようとしても「スウィート・スポット」は大変狭く、微妙な調整をしなければなりません。また、できたと思っても、ネジを締めるときに狂ったりしますので注意が必要でした。

 左の写真は、車両前方から、マニュアル・ハイト・コントロール・ロッドの先端を見たところです。ITONAMIでいう、オレンジのブラケット(写真のオレンジ矢印。マニュアル調整は、自動調整をさらに補正するという形で行われ、それをこのブラケットの中にはまっているロッドで制御しています)は、10mmのボルトとナットで固定されているので、メガネとラチェットを使って外します。言うまでもないですが、横着して片方だけでやらないように。

 クロスメンバーの真上にあるので、適正な位置を図るのに苦労しました。メジャーを使ってやると、途中で折れ曲がったりするのでやりにくいと思います。結局、このブラケットの中で若干ロッドが遊ぶ余地を設けているのは、いちいち自動調整が動作して、かえってギクシャクしないようにするためなのでしょう。

 調整後は寝起きがしゃんとし、問題の症状は無くなりました。また、クッション・ストロークが増えたため底突き感がなくなり、非常に快適になりました。思うに、オレンジのブラケットの位置が不良であったため、オレンジのブラケットが自動調整を妨害していたようです。ただ、やはり56000km余を走行しているので、楢林さん御指摘のスライド・ベアリングが劣化しているようで、当面は定期的なシリコン・スプレーの実施を続ける予定です。


追加
 前回の調整では、一応上限値(176mm)で車高を決めてました。するとやはり、調整前よりはずっとましになったものの、理想の状態からすると上がりすぎだったようで、前だけバネが堅い状態になってしまいました。これにより、ハーシュネスの増とダンピングの減、さらにはカッコ悪さを招いてしまったので、再調整を行いました。
 今度は許容範囲内での最低値(159mm)としました。この数値だと、フェンダ端から地面まで約64cmです。この方が全ての面でいいようです。また当分様子を見てみて、不具合があったら規定値ぴったりにしてみようと思います。

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